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日本透析医学会で順天堂大学と台灣振興病院が最新フィラピー研究を発表しました

7月 12, 2016

2016年の日本透析医学会は大阪で行われました。例年と変わらず全国から透析関係の医師、看護師、技師や業者が一同に集まって、最新の医療情報を交わされました。


この度、フィラピーも活躍し、シャント改善のメカニズム及びフットケアに対する効果といった違う角度から研究し、二つの講演及び一枚の学術ポスターを発表してもらいました。その内の一つは日本順天堂大学病院腎臓内科井尾先生の研究チームで、もう一つは台湾振興病院の楊尚峰先生を始めとする台北榮民總病院及び振興病院の研究チームです。井尾先生及び楊尚峰先生がそれぞれ代表として学会の口頭講演に招かれました。そして、順天堂大学病院の研究チームは同時にフィラピーが下肢循環障害による傷に使われていることの学術ポスターも発表して、参加者の注目を集めました。上記の発表内容は以下のようにまとめました。


 


フィラピーは2回PTA期間の延長、血管内皮の増殖の減少ができる

順天堂大学病院の研究チームは1年間に2回以上もPTA治療を受けた患者を対象にフィラピー照射する実験しました(照射頻度:週に3回、毎回40分で1年間持続)。1年後、次のPTA治療間隔は63日から83日に延長され、それにシャント静脈血管径が拡大し、内膜肥厚は有意に改善した。また酸化LDLは有意に減少したことをエコーで分ったと発表しました。即ち、フィラピーは温熱効果のみならず、血管内皮増殖抑制作用が示唆され、VAの二次開存率に対しても有効と思われました。


 


 フィラピーは血液中の一酸化窒素を増やし、酸化ストレスを軽減する

2013年に台湾‧台北栄民総医院はフィラピーがシャントの育成を促進するという臨床実験の結果を発表しました。その後、フィラピーで照射されたら、CKD第4、5期の患者の血液中のADMAが減少し、HO-1やグルタチオンなどの抗酸化物質が増え、血管の機能を改善し、炎症反応を抑え、血管内皮の増殖を減少させると、研究チームは発見しました。その結果は順天堂大学病院の研究結果に一致し、フィラピーの効果を確かめました。


 


 フィラピーは重症下肢虚血疾患を改善する

順天堂大学病院もフィラピーを糖尿病による重症下肢虚血疾患や足の潰瘍の患者を対象に実験をしました。研究チームは週3回、毎回40分間、連続3ヶ月で患者をフィラピーで照射させました。結果としては3ヶ月後、足の皮膚灌流圧(Skin Perfusion Presser, SPP)の平均値は、開始前の38mmHgから56.7mmHgへと改善しました。また、下腿潰瘍の悪化はみられず治癒しました。即ち、PADをもつ透析患者にフィラピーを施行することにより下肢血流が増加することで、下肢潰瘍は改善し創傷治癒は早くなったと考えられたことがわかりました。

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